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飲食店の軽減税率|8%と10%の分かれ目

更新日 2026-09-08(公開日 2026-09-08)

店内で食べれば10パーセント、持ち帰れば8パーセント。言葉にすると単純ですが、実際のお店では迷う場面が次々に出てきます。テイクアウトで買ったお客様が席に座ってしまったとき、出前とケータリングで扱いが違うと聞いたとき、仕入れたおしぼりの税率を入力するとき。この記事では、8パーセントと10パーセントがどこで分かれるのかという考え方の軸を最初に置き、飲食店でよく出てくる場面を順に整理します。なお、個別の取引がどちらにあたるかの判断は税務の領域です。迷う場面では顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。

8パーセントと10パーセントの分かれ目は「店内で飲食させるかどうか」

軽減税率の8パーセントが適用されるのは、酒類と外食を除いた飲食料品の譲渡です。飲食店にとっては、ここでいう外食にあたるかどうかが分かれ目になります。外食とは、テーブルや椅子などの飲食設備がある場所で、飲食させる役務の提供を行うことだと説明されています。

つまり、料理そのものをお渡ししているのか、それとも席で食べていただく場を提供しているのか、という違いです。同じ料理でも、お皿で席に出せば外食にあたり、容器に詰めてお渡しすれば飲食料品の譲渡にあたる、という整理になります。この軸を頭に置いておくと、個々の場面で迷ったときの手がかりになります。

消費税の税率が分かれる図。席で食べていただく場合は外食にあたり10パーセント、容器に詰めてお渡しする場合は飲食料品の譲渡にあたり8パーセント。お酒は持ち帰りでも10パーセント。
  • 軽減税率8パーセントの対象は、酒類と外食を除いた飲食料品の譲渡
  • 外食にあたるかどうかは、飲食設備のある場所で飲食させているかで考える
  • 料理をお渡ししているのか、食べる場を提供しているのか、という違い
  • 同じ料理でも、提供の仕方によって考え方が変わる
  • 個別の取引の判断は税務の領域。迷う場面は顧問税理士か所轄の税務署に確認する

同じ商品でも、持ち帰りと店内では変わる

お店の側からすると不思議に感じるところですが、商品が同じでも税率まで同じとは限りません。席にお出しするコーヒーと、紙コップに入れてお渡しするコーヒーでは、一般に前者が10パーセント、後者が8パーセントとして扱われると説明されています。

そのため、店内と持ち帰りの両方をやっているお店では、売上を一本にまとめてしまうと、あとから税率ごとに分けられなくなります。分けるのは会計のときの一度だけで済みますが、月末に記憶をたどって分けるのは現実的ではありません。最初から分かれる形で記録しておくのが、結局いちばん早い方法です。

  • 同じ商品でも、店内で出すか持ち帰りかで税率の考え方が変わる
  • 税込の売価をそろえている場合でも、預かる消費税の額は変わる
  • 売上を一本にまとめると、あとから税率ごとに分けられなくなる
  • 会計のその場で分けておくのが、結果としていちばん手間が少ない
  • 税込価格をそろえるか税率ごとに変えるかは、お店の方針として先に決めておく

イートインスペースがある店は、どのタイミングで聞くか

テイクアウトも店内飲食もできるお店では、会計の時点でどちらなのかが決まっていないと税率を決められません。国税庁の資料では、店内でお召し上がりかどうかをお客様に確認する方法や、イートインを利用する場合はお申し出くださいと掲示して意思表示していただく方法が示されています。

大切なのは、判定するタイミングが販売した時点だという点です。会計のあとで気が変わって席に座られた場合の扱いについては、イートインスペースの有無や案内の仕方によって実務では判断が分かれることがあります。お店としていつ・どう聞くかを決めておき、迷う事例が出たら顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。

  • 会計の時点で店内か持ち帰りかが決まっていないと、税率を決められない
  • 声で確認する方法と、掲示でお申し出いただく方法がある
  • 判定は販売した時点で行うという考え方が示されている
  • 会計後に席に座られた場合の扱いは、実務では判断が分かれることがある
  • いつ・どう聞くかをお店の運用として決め、スタッフ全員に同じ形で共有する

出前・宅配と、ケータリングの違い

出前や宅配のように、作った料理を届けてお渡しするところまでであれば、飲食料品の譲渡として8パーセントで扱われるのが一般的な整理です。届け先で召し上がっていただくとしても、その場に給仕をしに行くわけではないためです。

一方で、指定された場所に出向いて、盛り付けや配膳などの役務まで行うケータリングや出張料理は、10パーセントとして扱われるとされています。同じ料理を届ける仕事でも、現場で手を動かすかどうかで分かれます。なお、配送料や手数料を料理代とは別に受け取る場合、その部分は料理の販売とは別に考える必要があるとされています。

  • 出前・宅配は、飲食料品の譲渡として8パーセントで扱われるのが一般的
  • 指定場所での盛り付けや配膳を伴うケータリング・出張料理は10パーセント
  • 分かれ目は、届けるだけか、現場で役務まで行うか
  • 配送料や手数料を別に受け取る場合、その部分は別に考える必要がある
  • 自店の提供形態がどちらにあたるかは、顧問税理士か所轄の税務署に確認する

お酒は軽減税率の対象外

酒税法上の酒類は、持ち帰りであっても軽減税率の対象になりません。店内でお出しするビールも、瓶詰めのままお売りするワインも10パーセントです。ここは店内か持ち帰りかで分かれないため、先に押さえておくと迷いが減ります。

気をつけたいのは、調味料の中に酒税法上の酒類にあたるものがある点です。本みりんのように酒類として扱われるものと、アルコール分の低い調味料とでは扱いが異なると説明されており、実務では判断に迷う商品が出てきます。仕入の税区分で迷ったら、その場で決めずに顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。

  • 酒税法上の酒類は、持ち帰りでも軽減税率の対象外として扱われる
  • 店内のビールも、瓶詰めでお売りするワインも同じ考え方になる
  • 調味料の中には酒税法上の酒類にあたるものがあり、扱いが分かれる
  • 迷う商品はその場で決めず、顧問税理士か所轄の税務署に確認する

仕入れの側でも8パーセントと10パーセントに分かれる

税率が分かれるのは売上だけではありません。仕入れた側も、食材のような飲食料品は8パーセント、それ以外は10パーセントとして扱われます。同じ日に同じ店で買っていても、レシートの中で税率が混ざっていることは珍しくありません。

飲食店でとくに混ざりやすいのが消耗品です。割り箸、おしぼり、洗剤、テイクアウト用の容器や袋は飲食料品ではないため、10パーセントとして扱われるのが一般的です。水道光熱費や家賃、通信費なども同じです。レシート1枚の中で分かれている前提で見る癖をつけると、入力の誤りが減ります。

  • 食材などの飲食料品の仕入れは8パーセントとして扱われる
  • 割り箸・おしぼり・洗剤・容器・袋などの消耗品は10パーセント
  • 水道光熱費・家賃・通信費なども10パーセント
  • 1枚のレシートの中で税率が混ざっていることは珍しくない
  • 合計金額だけを見ず、レシートの税率ごとの小計欄を確認する

レジで税率ごとに分けて集計できる状態にする

税率が分かれる以上、レジの側でも分けて集計できる状態にしておく必要があります。日次の締めで出てくる集計に、10パーセント対象の売上と8パーセント対象の売上が別々に出るかどうかを、まず確認してみてください。

分かれて出るなら、その数字をそのまま記録に写すだけで済みます。分かれない場合は、店内と持ち帰りでボタンや商品を分けるなど、レジ側の設定を見直すのが先です。手書きのメモや運用の注意だけでカバーしようとすると、忙しい時間帯に必ず崩れます。

  • 日次の締めで、10パーセント対象と8パーセント対象が別々に出るか確認する
  • 分かれて出るなら、その数字を記録に写すだけで済む
  • 分かれないなら、店内と持ち帰りでボタンや商品を分ける設定を検討する
  • 運用の注意だけでカバーしようとすると、忙しい時間帯に崩れる
  • 会計を分ける手順は、スタッフ全員が同じやり方でできる形にしておく

帳簿も税率ごとに分けて付ける

帳簿の側でも、売上と仕入れを税率ごとに区分して記録しておくことが求められます。あわせて、軽減税率の対象である取引については、その旨が後から分かるようにしておく必要があるとされています。売上の集計と、経費の入力の両方に関わる話です。

これを月末にまとめてやろうとすると、レシートを1枚ずつ見返すことになり、時間がかかります。記録するそのときに税率まで一緒に入れてしまえば、追加の手間はほとんどありません。年に一度の集計のためというより、毎月の作業を軽くするための順番だと考えると続けやすくなります。

  • 売上・仕入れとも、税率ごとに区分して記録しておく
  • 軽減税率の対象である取引は、その旨が後から分かるようにしておく
  • 月末にまとめてやると、レシートを1枚ずつ見返すことになる
  • 記録するその場で税率まで入れれば、追加の手間はほとんどない
  • 具体的な帳簿の付け方や科目の立て方は、顧問税理士の指示にあわせる

区分記載請求書からインボイスへ、引き継がれている考え方

税率が2つある状態を書類の上で表すために、以前は区分記載請求書等保存方式と呼ばれる形が使われていました。これは現在の適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度につながっていて、税率ごとに分けて書くという考え方そのものは引き継がれています。

飲食店や小売業などでは、記載を簡略にした適格簡易請求書を交付できるとされています。いずれにしても、登録番号、取引年月日、取引の内容、軽減税率の対象である旨、税率ごとに分けた金額といった要素が必要になります。自店のレシートに何が印字されているかを一度確認しておくと安心です。

  • 税率ごとに分けて書くという考え方は、インボイス制度にも引き継がれている
  • 飲食店などは、記載を簡略にした適格簡易請求書を交付できるとされている
  • 登録番号・取引年月日・内容・軽減税率対象である旨・税率ごとの金額が要素になる
  • 自店のレシートに何が印字されているかを一度確認しておく
  • 記載事項の詳細と自店の対応可否は、顧問税理士か所轄の税務署に確認する

迷ったときの確認先を、先に決めておく

税率の判断で迷う場面は、どんなお店でも必ず出てきます。そのときに困るのは、判断そのものよりも、誰に聞けばよいかが決まっていないことです。聞き先が決まっていないと、その場の判断で流してしまい、あとからまとめて直すことになります。

確認先は、顧問税理士か所轄の税務署です。国税庁が公表している軽減税率制度に関する資料にも、場面ごとの考え方がまとめられています。迷った取引は、なぜ迷ったのかを一行だけメモに残して次の打ち合わせに持っていくと、同じ迷いを繰り返さずに済みます。

  • 判断に迷う場面は必ず出てくる。困るのは聞き先が決まっていないこと
  • 確認先は顧問税理士か所轄の税務署
  • 国税庁が公表している資料にも、場面ごとの考え方がまとめられている
  • 迷った取引は理由を一行メモに残し、次の打ち合わせに持っていく
  • その場の判断で流すと、あとからまとめて直すことになる

税率ごとの記録を、手間を増やさずに残す

税率を分けて記録すること自体は難しくありませんが、毎日のことなので、手間が増えると必ず止まります。現実的なのは、いま行っている作業の延長で自然に分かれる形にしてしまうことです。会計のときに分ける、レシートを撮るときに分ける、という具合です。

AXpress飲食では、レシートを撮影するとAIが日付・店名・金額・勘定科目と、8パーセントか10パーセントかの税区分の候補を作ります。出てくるのはあくまで候補で、確定はご自身の操作で行う設計です。売上も税率ごとに分けて記録でき、会計ソフトへ渡すCSVや年度まとめにもその区分が入ります。税務相談や申告の代行は行いません。

  • 毎日のことなので、手間が増える方法は必ず止まる
  • いまの作業の延長で分かれる形にする(会計のとき・レシートを撮るとき)
  • レシート撮影でAIが勘定科目と税区分の候補を作り、確定は自分の操作で行う
  • 売上も税率ごとに分けて記録でき、会計ソフト用CSVや年度まとめにも区分が入る
  • 税務上の判断は税理士の領域。ソフトは記録と集計の道具として使う

よくある質問

Q. テイクアウトで買ったお客様が、そのまま店内の席で食べ始めた場合はどうなりますか?
A. 税率の判定は、販売した時点でどちらとして販売したかによって行うという考え方が示されています。会計のときに持ち帰りとして販売していれば、その時点の判定にもとづくことになります。ただし、イートインスペースの有無や案内の仕方によって、実務では判断が分かれることがあります。自店の運用について迷う場合は、顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。
Q. 店内と持ち帰りで、税込の売価を同じにそろえてもよいですか?
A. 税率が違っても、税込の売価をそろえること自体はできるとされています。その場合でも、預かる消費税の額は税率ごとに変わるため、レジと帳簿では分けて記録しておく必要があります。価格をそろえるか税率ごとに変えるかは、お店の方針として決める部分です。値札やメニューの表示方法まで含めて迷う場合は、顧問税理士にご相談ください。
Q. 出前と、ケータリングは何が違うのですか?
A. 作った料理を届けてお渡しするところまでであれば、飲食料品の譲渡として8パーセントで扱われるのが一般的な整理です。一方、指定された場所に出向いて盛り付けや配膳などの役務まで行うものはケータリングにあたり、10パーセントとして扱われるとされています。分かれ目は、届けるだけか、現場で手を動かすかです。自店の提供形態がどちらにあたるかは、顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。
Q. 仕入れのレシートで、8パーセントと10パーセントが混ざっていることはありますか?
A. 珍しくありません。食材のような飲食料品は8パーセント、割り箸やおしぼり、洗剤、テイクアウト用の容器などの消耗品は10パーセントとして扱われるのが一般的です。同じ店で同じ日に買っていても、1枚のレシートの中で分かれます。合計金額だけを見ず、レシートに印字されている税率ごとの小計を確認してから記録してください。
Q. レジが税率ごとに分けて集計できない場合はどうすればよいですか?
A. まずは、日次の締めで出てくる集計に10パーセント対象と8パーセント対象が別々に出るかを確認してください。出ない場合は、店内と持ち帰りでボタンや商品を分けるなど、レジ側の設定で分かれるようにするのが先です。手書きのメモでカバーしようとすると、忙しい時間帯に崩れます。設定の変更が難しい場合は、記帳の方法について顧問税理士にご相談ください。
Q. アプリが出す8パーセント・10パーセントの区分は、そのまま使ってよいですか?
A. AXpress飲食が出すのは候補であり、確定はご自身の操作で行う設計です。レシートの記載やお店の提供形態によって考え方が変わるため、内容を画面で確認し、必要であれば修正してから保存してください。税率の判断で迷う場合や、記帳の方法を決める場面では、顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。当サービスは記録と集計を支援するもので、税務の判断や申告の代行は行いません。
レシートを撮るだけでAIが税区分の候補まで作る——AXpress飲食を見る

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。税務・労務の個別の判断については、税理士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。制度・数値は変更される場合があります。