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飲食店のレシートの保存|電子帳簿保存法での残し方

2026-09-08

レジ横の紙袋にレシートが溜まり、いつ捨ててよいのか分からないまま何年分も残っている、という飲食店は少なくありません。保存の期間には原則がありますが、事業形態や申告の方法によって変わります。さらに電子帳簿保存法によって、メールやウェブで受け取った領収書の扱いも変わりました。この記事では、紙のレシートを何年どう残すか、写真で残すときに何が要るか、レシートが無いときにどうするかを、簿記の知識がない前提で整理します。個別の判断が要る部分は、顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。

レシートと領収書は原則として何年残すのか

レシートや領収書は、確定申告が終わったら捨ててよいものではありません。帳簿や書類は原則として一定の期間、保存しておくことが求められます。何年になるかは事業形態と申告の方法で変わるため、まずは自分がどれに当たるのかを確認するところから始めてください。

一般には、個人事業主は原則七年、書類の種類や申告方法によっては五年とされることがあります。法人は原則七年で、赤字を繰り越す事業年度については十年とされる場合があります。ただし制度は改正されることがあり、年数は年度や状況によって変わりうるものです。個別の年数は顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。

  • 個人事業主は原則七年、書類の種類や申告方法によっては五年とされることがある
  • 法人は原則七年、赤字を繰り越す事業年度は十年とされる場合がある
  • 数え方の起点は受け取った日ではなく申告期限とされるのが一般的(起点も確認する)
  • 消費税の仕入税額控除に関わる書類には、別に定めがあるとされる
  • 年数は事業形態や年度で変わりうるため、判断は顧問税理士か所轄の税務署へ

月ごと、種類ごとに分けて残す

保存で本当に困るのは年数そのものより、あとから一枚を探せないことです。税理士とのやり取りや調査の場面では、この月のこの支払いの証憑を見せてほしい、という形で聞かれます。年でひとまとめにした袋からは、その一枚が出てきません。

実務としては、まず月ごとに分け、その中を仕入(食材)、消耗品、水道光熱費、その他くらいに分けておけば十分です。細かく分けるほど正確にはなりますが、細かくするほど続きません。分類の精度より、途切れずに続くことを優先してください。

  • 一番外側は必ず月にする(あとから探すときの入口が月になるため)
  • 月の中は仕入(食材)、消耗品、水道光熱費、その他の四つ程度で足りる
  • 封筒にペンで年月を書く程度でよい。専用のファイルは要らない
  • 枚数が多い月はクリップで留めない(留め具が外れて他の月と混ざる)
  • 分類の細かさより、途切れないことを優先する

電子帳簿保存法で何が変わったのか

電子帳簿保存法は、帳簿や書類を電子データで残すときの決まりごとをまとめた法律です。大きく分けると、帳簿を電子で作って残すこと、紙をスキャンして残すこと、電子で受け取った取引の記録を残すことの三つの話が入っています。混ざりやすいので、分けて考えると理解しやすくなります。

押さえどころは二つです。紙をスキャンや撮影で残すこと(スキャナ保存)は選べる方法であり、紙のまま残す運用も引き続きできます。一方で、メールやウェブで受け取った領収書などの電子取引の記録は、データのまま残すことが求められています。

  • 紙のレシートは、紙のまま残す方法が今も選べる
  • スキャンや撮影で残す方法は任意で、選んだ場合は要件を満たす必要がある
  • メールやウェブで受け取った領収書は、データのまま残すことが求められている
  • 紙に印刷して保管するだけでは足りないとされる点が、最も見落とされやすい
  • 要件の詳細と最新の取り扱いは、国税庁の公表資料か顧問税理士に確認する

メールやウェブで受け取った領収書の残し方

飲食店でも、電子で受け取る書類は年々増えています。業務用食材のネット注文の明細、月額で使っているサービスの請求、デリバリーや予約サイトの手数料明細、カードや電子マネーの利用明細などです。これらは受け取った時点で電子取引の記録に当たると考えられます。

残し方の基本は、受け取ったデータをそのまま保存し、日付、金額、取引先で探せる状態にしておくことです。あわせて、あとから内容を書き換えられない形にしておくことが求められます。対応するソフトを使うか、決めごとを文書にして運用するか、どちらかで整えることになります。

  • 当てはまりやすいもの=ネット注文の明細、月額サービスの請求、カードや電子マネーの明細
  • 受け取ったデータをそのまま残す(印刷して紙で残すだけでは足りないとされる)
  • ファイル名に日付、取引先、金額を入れておくと、探せる状態を作りやすい
  • 書き換えられない仕組みを使うか、決めごとを文書にする対応のどちらかで整える
  • 猶予や例外の取り扱いが設けられている場合があるため、自店への適用は所轄の税務署に確認する

写真で残すときに要るもの

紙のレシートを撮って残す場合、撮っただけでは要件を満たしません。要点は二つで、あとから日付、金額、取引先で探せること、そして直したり消したりした記録が残ることです。この二つを満たせないと、単に写真が溜まっているだけの状態になります。

そのほか、画面と印刷ですぐ内容を確認できる状態にしておくこと、読み取りまでの期間、画質についての決まりもあるとされます。スマホの写真アプリのフォルダに入れておく運用は、探す条件を満たしにくく、画像を後から差し替えられるため、この二点でつまずきやすくなります。

  • 日付、金額、取引先の三つで検索できること
  • 訂正や削除をした記録が残ること(いつ何を直したかを追えること)
  • 画面と印刷で内容をすぐ確認できる状態にしておくこと
  • 読み取りまでの期間や画質についての決まりもあるとされる
  • 写真アプリのフォルダに入れるだけの運用は、この条件を満たしにくい
  • 要件を満たしているかの判断は、顧問税理士か所轄の税務署に確認する

レシートが無いときにどうするか

飲食店では、レシートが出ない支払いが必ず出てきます。自動販売機での購入、電車やバスの運賃、慶弔の費用、伝票をくれない小さな商店での買い物などです。レシートが無いからといって、記録を残さないまま流してしまうのは避けたいところです。

一般的な実務では、出金伝票などに日付、支払先、金額、内容、目的を自分で書いて残します。書式は市販のものでも手書きのメモでも構いませんが、あとから他人が読んで内容が分かることが大切です。ただし、その支出をどう取り扱うかの判断は税務の領域になります。顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。

  • レシートが出ない例=自動販売機、電車やバスの運賃、慶弔費、小さな商店での買い物
  • 出金伝票などに日付、支払先、金額、内容、目的を書いて残すのが一般的
  • カードの利用明細や通帳の記録は、支払いの裏付けとして一緒に残しておく
  • その支出の取り扱いの判断は税務の領域なので、顧問税理士か所轄の税務署に確認する
  • 無いものを後から作らない。分からないものは分からないまま残して相談する

飲食店で特に溜まりやすいレシート

飲食店のレシートは、業種の中でも枚数が多いほうです。仕込みの前に市場やスーパーへ寄り、足りないものを買い足し、酒販店から納品書が届き、消耗品を買いに行く。一日で五枚から十枚になる日も珍しくなく、月末には百枚を超えます。

枚数が多いものほど、後回しにすると回復に時間がかかります。特に買い出しのレシートは、食材と日用品が一枚に混ざりやすく、あとから見ると何を買ったのか分からなくなります。買った直後にその場で撮っておくと、この混ざりを防げます。

  • 市場やスーパーの買い出し(食材と日用品が一枚に混ざりやすい)
  • 酒販店の納品書と請求書(月まとめで届き、日々の記録と時期がずれる)
  • 消耗品(おしぼり、洗剤、包材、割り箸など、金額は小さいが枚数が多い)
  • ガス、電気、水道の検針票や請求(電子で届くものが増えている)
  • 予約サイトやデリバリーの手数料明細(電子で受け取るため電子取引に当たりやすい)

飲食店のレシートで見落としやすい二点

飲食店のレシートには、他の業種にはあまり無い注意点が二つあります。一つは軽減税率です。食材は八パーセント、備品や消耗品は十パーセントというように、一枚のレシートに二つの税率が混ざります。合計金額だけを記録すると、あとから分けられなくなります。

もう一つは感熱紙です。市場やスーパーのレシートは感熱紙が多く、時間が経つと印字が薄くなって読めなくなることがあります。紙のまま残す場合でも、受け取った時点で写真を撮っておくと、印字が消えたときの備えになります。

  • 一枚の中に八パーセントと十パーセントが混ざる。税率ごとに分けて記録する
  • 適格請求書の登録番号(Tから始まる十三桁)の有無を、受け取った時点で見ておく
  • 感熱紙は印字が消える。受け取った時点で写真を撮っておく
  • レジの再発行や手書きの領収書は、内容が薄くなりやすいので但し書きを確認する
  • 税率や控除の取り扱いの判断は、顧問税理士か所轄の税務署に確認する

続けられる置き場所の作り方

保存の仕組みが続かない理由は、置き場所が決まっていないことに尽きます。財布、エプロンのポケット、車の中、レジの引き出しと、置き場所が分散した時点で、あとで集める作業が発生します。集める作業が発生すると、その週は必ず後回しになります。

作り方は単純です。店に戻ったら必ず通る場所に、レシートを入れる箱を一つ置きます。分けるのは後でよいので、まず一か所に集める。そして閉店後のレジ締めのついでに、その日の分を撮る。この二段構えにすると、探す時間がほとんど無くなります。

  • 置き場所は一か所だけにする(分けるのは後でよい)
  • 店に戻ったら必ず通る場所に箱を置く(厨房の入口、レジ横など)
  • 撮るタイミングを閉店後のレジ締めのついでに固定する
  • 撮り終えた紙は月ごとの封筒へ入れる(紙を廃棄してよいかは要件次第なので確認する)
  • 時間があるときにやる、という決め方は、やらないのと同じ結果になりやすい

AXpress飲食でできること

AXpress飲食は、レシートを撮影するとAIが日付、店名、金額、勘定科目、税区分(八パーセントと十パーセント)の候補を作るサービスです。候補はあくまで候補で、確定はご自身の操作で行う設計です。同じ画像や、同じ日付と金額の組み合わせを重ねて取り込もうとしたときは警告を出します。

保存の面では、記録を直したり消したりした履歴が残ることと、日付、金額、取引先といったキーワードで探せることに対応しています。ただし電子帳簿保存法には、入力までの期間や決めごとの文書、画面と印刷の備付けなど、お店側の運用で整える事柄も含まれます。そのため包括的に対応しているとは申し上げられません。

  • レシート撮影でAIが勘定科目と税区分の候補を作る(確定はご自身の操作)
  • 同じ画像や、同じ日付と金額の二重取込を警告する
  • 訂正や削除の履歴が残り、日付、金額、取引先で探せる
  • 売上の記録と、FL原価(食材費と人件費)、原価率、客単価の自動計算
  • 会計ソフトへ渡すCSVの書き出しと、年度まとめ
  • 予約管理とAIによるシフトの下書きは、スタンダード以上のプランの機能

よくある質問

Q. 飲食店のレシートは何年残せばよいですか?
A. 一般には、個人事業主は原則七年、書類の種類や申告方法によっては五年とされることがあります。法人は原則七年で、赤字を繰り越す事業年度は十年とされる場合があります。ただし制度は改正されることがあり、年数は事業形態や年度によって変わりうるものです。ご自身に当てはまる年数と数え方の起点は、顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。
Q. レシートを写真に撮ったら、紙は捨ててよいですか?
A. 紙をスキャンや撮影で残す方法は選べる方法で、要件を満たしていれば紙を廃棄できるとされています。逆にいえば、撮っただけでは要件を満たしません。日付、金額、取引先で探せること、訂正や削除の記録が残ることなどが求められます。要件を満たしているかの判断と最新の取り扱いは、国税庁の公表資料か顧問税理士にご確認ください。
Q. メールで届いた領収書は、印刷して保管すればよいですか?
A. 電子で受け取った取引の記録は、データのまま残すことが求められており、紙に印刷して保管するだけでは足りないとされています。飲食店では、ネット注文の明細、月額で使っているサービスの請求、カードや電子マネーの明細などが当てはまりやすい書類です。猶予や例外の取り扱いが設けられている場合もあるため、自店に当てはまるかは所轄の税務署にご確認ください。
Q. レシートが出ない支払いは、どう記録すればよいですか?
A. 自動販売機や電車の運賃など、レシートが出ない支払いは飲食店でも必ず出てきます。一般的な実務では、出金伝票などに日付、支払先、金額、内容、目的を自分で書いて残します。書式は市販のものでも手書きでも構いませんが、あとから他人が読んで分かることが大切です。その支出の取り扱いの判断は税務の領域になるため、顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。
Q. レシートはどのくらい細かく分けて保管すればよいですか?
A. 一番外側を月にして、その中を仕入(食材)、消耗品、水道光熱費、その他の四つ程度に分ければ、探すときにはほぼ足ります。細かく分けるほど正確にはなりますが、細かくするほど続きません。迷うものはその他に入れて先へ進み、月末や税理士とのやり取りのときにまとめて確認するほうが、記録が途切れず結果的に整います。
Q. AXpress飲食は電子帳簿保存法に対応していますか?
A. 対応しているのは、記録を直したり消したりした履歴が残ることと、日付、金額、取引先といったキーワードで探せることの部分です。電子帳簿保存法には、入力までの期間や決めごとの文書、画面と印刷の備付けなど、お店側の運用で整える事柄も含まれます。そのため包括的に対応しているとは申し上げられません。要件を満たしているかの確認は、顧問税理士か所轄の税務署にお願いします。
レシートの山を撮るだけで終わらせる——AXpress飲食を見る

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。税務・労務の個別の判断については、税理士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。制度・数値は変更される場合があります。